Vol.17 加藤 マリサ サン さん(フィリピン)

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“Were you all surprised at the rain?”

突然の大雨に慌てて教室に駆け込んだ生徒達に対し、にこやかな笑顔で挨拶を交わしたマリサさん。3人のお子様のお母様であるとともに現在、国際都市おおた協会(GOCA)の英会話講座のボランティア講師として活躍中です。

そんなマリサさんに、大田区での生活や将来の夢についてお伺いしました。

 

― 妹を助けるために日本へ

マリサさんが日本に来たのは、今から12年前。フィリピンでは秘書として働いていましたが、国際結婚をして初めて出産した妹さんと赤ちゃんのお世話をするために来日しました。

「フィリピンで買った辞書を頼りに、日本語の基本的な単語やフレーズを覚えました。でも、わからない言葉がたくさん!妹夫婦の会話やテレビを観ていて知らない言葉が出てくると、妹にどんな意味か、いつも質問していました。」と笑って話してくれました。

 

― GOCAの英会話講師として

マリサさんは以前から近所の自治会館等で英会話を教えていましたが、フィリピン出身の、娘さんのご主人がGOCAで日本語を学んでいたご縁から、娘さんと一緒にGOCAを訪れました。

「その時、国際交流ボランティアに登録しました。スタッフが親切で、とてもサポーティブ!GOCAでボランティアとして英会話講師がしたいと思いました。」

 マリサさんはその後「マンツーマン語学レッスン」のボランティア講師として1対1で英語を教え始めました。明るく楽しいレッスンが好評で、この夏は英会話講座「Marisa’s English Salon」を開講しグループレッスンを行いました。

幅広い年代の16名が参加する講座はとてもアットホームな雰囲気。ボールを使ってランダムに受講者が話すお題が決まるなど、マリサさんのアイディアとユーモアに溢れた実践的な講座になりました。

 

 

― 日本で驚いたことは?

マリサさんに来日して驚いたことを聞いてみました。

 「初めて日本に飛行機で降り立った時に、近代都市東京の輝かしい夜景を見て感動しました。フィリピンは、宗教や文化的な理由で保守的なので、子どもや女性が夜遅くに外を歩くことはありません。でも、日本では夜中でも人がたくさん散歩しているのを見て、開放的で治安が良いのだなと実感しました。」

 

― お気に入りの場所は?

大田区のお気に入りスポットは洗足池。

「自然が溢れる洗足池公園を歩くと、静かで穏やかで、落ち着きます。春には桜がとても美しく、図書館もあって便利ですね。自然を感じられるので、時間があるときはよく散策しています。」

 

― 苦労したこと

今ではすっかり日本での生活に馴染んでいるマリサさんですが、これまでには色々とご苦労もあったようです。

「以前、主人が新橋に魚ベースのラーメン店を開業した時に、手伝いをしていました。その時、お客さんから質問されても上手く答えることができなくて、もどかしい思いをしました。でも、日本の慣習や文化を主人が教えてくれ、周囲の人の支えもあって、日本文化に順応することができました。」と嬉しそうに微笑んでおられました。

苦労したご自身の経験から、祖国フィリピンの人々にも「私も困難を乗り越えることができたよ。」というインスピレーションを与えたいと目を輝かせていました。

 

― 将来の夢は?

「母として妻として、今まで日本文化や慣習を教え支えてくれた主人や子ども達にこれからも寄り添っていきたい。」と、家族の幸せを祈っているマリサさん。

   「これからも自分の能力や技術を使って、第2の祖国である日本に貢献していきたい。」と力強く語ります。そしてご自身の子ども達にも、「日本への理解を更に深めて、それぞれの能力を生かし可能性を実現してほしい。」と願っています。

 

 

 「その国について知ることが社会に溶け込むコツ、そうすればその国を愛することができると思う。」と未来の移住者にエールを送るマリサさん。どの質問にも真摯に向き合い、ご自身の経験も交えながら、楽しくインタビューに応じて下さいました。Salamat po!  

 

                    

  「隣の外国人」実行委員 山澤侑季

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